627年 貞観の治

唐の李世民
唐の李世民
語呂合わせ

無二な(627)政治の、貞観の治

貞観じょうがんの治とは、とうの第2代皇帝である李世民りせいみん太宗たいそう)の治世のことをいいます。

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玄武門の変

李淵りえんの次男の李世民は、兄と弟を玄武門げんぶもんの変で殺害し、父親の李淵からも実権を奪いました。

その後、李世民は唐の第2代皇帝として即位しました。

貞観の治

第2代皇帝として即位した李世民太宗)は、唐の繁栄の時代を築き、貞観の治と称えられました。

律令国家

律令国家りつりょうこっかとは、りつりょうによって統治される国のことです。

唐王朝は、律・令・きゃくしきの法制を整備して、それに基づく政治を行いました。

  • :刑法
  • :行政法・民法
  • :律や令の修正法や臨時法
  • :施行細則

三省六部

三省六部さんしょうりくぶとは、唐の中央官制の基本となる行政組織で、皇帝を補佐し、国家を運営する仕組みです。

三省 — 政策の立案・審議・実行

三省さんしょうは、詔勅しょうちょく(皇帝の命令)を作成・審議・実行する機関です。

  • 中書省ちゅうしょしょう — 詔勅の立案
  • 門下省もんかしょう — 詔勅の審議
  • 尚書省しょうしょしょう — 詔勅の実行

三省の仕組みが、皇帝の独裁を防ぎ、政治のバランスを取っていました。

六部 — 実務を担当

六部りくぶは、尚書省の下にある6つの部門で、具体的な行政を担当しました。

  • 吏部りぶ — 官僚の管理
  • 戸部こぶ — 戸籍・財政の管理
  • 礼部れいぶ — 外交・教育(科挙試験)の管理
  • 兵部へいぶ — 軍事の管理
  • 刑部けいぶ — 司法・法律の管理
  • 工部こうぶ — 土木・建設の管理

六部は、現在の「各省庁」のような役割を持ち、国家の行政を実際に動かしていました。

御史台

官僚の不正行為を監察するため、御史台ぎょしだいと呼ばれる機関が設置されました。

科挙の整備

科挙かきょは、官僚を選ぶための試験制度です。

ずいの時代に始まった科挙制度は、唐の時代に本格的に整備されました。

貴族ではなく学問の才能がある者が官僚になれる道を開きました。

科目は、秀才しゅうさい明経めいけい進士しんしなどの6科がつくられました。

均田制

均田制きんでんせいは、農民に土地を均等に分配し、国家が管理する土地制度です。

農業の安定と税収の確保を目的として、5世紀、北魏ほくぎの時代から始まりました。

唐の均田制は、口分田くぶんでん(死後返還する必要がある土地)と永業田えいぎょうでん(世襲できる土地)の2種類がありました。

ただし、官僚には官人永業田かんじんえいぎょうでん(官僚に与えられた世襲できる土地)があったため、貴族の大土地所有の防止の効果は限定的でした。

租庸調制

租庸調制そようちょうせいは、土地を与える代わりに、穀物・布・労役で納めさせる制度のことです。

均田制とセットで運用されました。

  • 租 — 穀物
  • 庸 — 労役または絹
  • 調 — 布

府兵制

府兵制ふへいせいは、農民を徴兵させる制度です。

均田制とセットで運用されました。

徴兵されたものは租庸調が免除され、一定期間、都の警護や辺境の守備を行いました。

州県制

唐では、隋と同じく地方統治制度として州県制しゅうけんせいが用いられました。

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