720年 日本書紀の編纂

舎人親王
舎人親王
語呂合わせ

何を(720)書いたか、日本書紀にほんしょきの完成

覚え方

『奈良の文学、不満二個』(天平てんぴょう文化の文学)

不 = 風土記ふどき

満 = 万葉集まんようしゅう

二 = 日本書紀にほんしょき

個 = 古事記こじき

日本書紀にほんしょきは、元正げんしょう天皇の時代に舎人親王とねりしんのうを中心に編纂された日本最古の正史せいしです。

正史とは、国家が公式に編纂した歴史書のことです。

目次

日本書紀の編纂の背景

8世紀初頭の日本は、律令制度の整備が進む中で、国家としての権威を内外に示す必要がありました。

特に、中国や朝鮮半島との外交において、日本の正統性を主張するためには、きちんとした歴史書が不可欠だったのです。

元正天皇の時代に完成

元正げんしょう天皇は、日本書紀にほんしょきが完成した時の天皇です。

女帝として、文化事業に力を入れ、日本書紀の完成を後押ししました。

舎人親王による編纂

舎人親王とねりしんのう天武てんむ天皇の皇子で、日本書紀にほんしょきの編纂を指揮した中心人物です。

日本書紀 ― 日本最古の正史

神代じんだいから持統じとう天皇までの歴史を記述されています。

全30巻からなる大規模な歴史書で天皇の権威を強調する内容になっています。

編年体で記述

中国の歴史書の体裁に基づいて、漢文を用い編年体へんねんたいで書かれています。

編年体とは、出来事を年代順に記載する方式のことです。

これにより、歴史の流れを時系列で把握しやすくなっています。

漢文で記述

また、日本の書物であるのに漢文で書かれているのも特徴的です。

日本書紀が漢文で書かれたのは、当時の東アジアの国際的な文書形式だったからです。

中国の正史にならって漢文を使用することで、日本の文化的水準の高さを示そうとしたのです。

六国史の最初の歴史書

六国史りっこくしとは、奈良時代から平安時代にかけて編纂された日本の正式な歴史書(正史)の総称です。

日本書紀にほんしょきは、六国史の最初の書であり、日本の国家としての正式な歴史記録の始まりとされています。

六国史は、以下の6つの書物を指します。

  • 日本書紀にほんしょき
  • 続日本紀しょくにほんぎ
  • 日本後紀にほんこうき
  • 続日本後紀しょくにほんこうき
  • 日本文徳天皇実録にほんもんとくてんのうじつろく
  • 日本三代実録にほんさんだいじつろく
覚え方

『日続、後続、文徳三(にっしょく、こうしょく、もんとくさん)』(六国史りっこくし

 日 = 本書紀にほんしょき

 続 = 日本紀しょくにほんぎ

 後 = 日本
にほんこうき

 続 = 日本後紀
しょくにほんこうき

文徳 = 日本文徳天皇実録
にほんもんとくてんのうじつろく

 三 = 日本代実録にほんさんだいじつろく

古事記との違い

日本書紀とほぼ同時期に編纂された古事記こじき(712年完成)との違いは以下のとおりです。

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項目古事記日本書紀
成立年712年720年
作成太安万侶、稗田阿礼舎人親王
記述言語日本語漢文
内容神代から推古天皇まで神代から持統天皇まで
対象国内向け国外向け
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