629年 玄奘のインド旅行

玄奘
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労に窮(629)する、玄奘のインド旅行

とうの僧侶・玄奘げんじょうは、仏教の本場インドで直接、教義を学ぶために旅に出発しました。

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玄奘 ― 仏法の真理を求めてインドへ

玄奘は、唐に伝わっていた仏教教義に疑問を抱いていました。

その疑問を解消するため、当時インドの正統な仏教を学びたいという強い願いから、629年にインドを目指して出発します。

唐の朝廷の許可を得ずに出国したため、命がけの旅となりました。

ハルシャ王の庇護

インドに到着した玄奘は、当時インドを統一していたヴァルダナ朝ハルシャ王(戒日王)に歓迎されます。

ハルシャ王は仏教を保護していた君主であり、玄奘の学問への情熱を認め、彼に便宜を図りました。

ナーランダー僧院での学び

玄奘はナーランダー僧院に長期間滞在し、仏教の教義を徹底的に学びました。

ここでの学びは彼の思想の根幹となり、後の翻訳活動や宗派形成につながっていきます。

大唐西域記 ― インドの旅の記録

帰国後、玄奘は旅の記録を大唐西域記だいとうさいいききにまとめました。

これはインドや中央アジアの地理・文化・宗教に関する貴重な史料です。

法相宗の成立

玄奘はインドで学んだ仏教思想をもとに、法相宗ほっそうしゅうを創始しました。

この宗派は後に日本にも伝わり、奈良の興福寺や薬師寺などで受け継がれていきます。

大雁塔に残る足跡

玄奘が持ち帰った経典を保管した場所が長安ちょうあん大雁塔だいがんとうです。

今日でも観光名所として多くの人が訪れ、彼の偉業をしのんでいます。

西遊記のモデル、玄奘の旅

玄奘のインド旅行の物語は、後に西遊記さいゆうきとして物語化され、中国や日本でも広く親しまれるようになりました。

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