645年 大化の改新

大化たいかの改新かいしんは、蘇我氏の専権を排除した中大兄皇子なかのおおえのおうじや中臣鎌足なかとみのかまたりらが主導した政治改革です。

唐とうの制度を参考にした改革を行い、天皇を中心とした統治体制の基盤を築きました。

大化の改新に至る背景 ― 蘇我氏の専横

蘇我馬子そがのうまこの時代から始まった蘇我氏の専横は、その子である蘇我蝦夷そがのえみし、孫の蘇我入鹿そがのいるかの代に頂点に達しました。

蘇我入鹿は、有力な皇位継承候補であった山背大兄王やましろのおおえのおう（聖徳太子の子）を643年に襲撃し、自殺に追い込みました。

山背大兄王の排除により、蘇我氏は皇室をも脅かす存在となっていました。

反蘇我氏勢力の結集

蘇我氏の専横に危機感を抱いた中大兄皇子なかのおおえのおうじ（後の天智てんじ天皇）と中臣鎌足なかとみのかまたり（後の藤原鎌足ふじわらのかまたり）は、蘇我氏打倒の計画を密かに進めていました。

中臣鎌足は神祇じんぎを司る中臣氏の出身で、優れた政治的才能を持つ人物でした。

乙巳の変（645年） ― 中大兄皇子らによるクーデター

中大兄皇子と中臣鎌足は、天皇を中心とした中央集権的な政権を樹立するために乙巳の変と呼ばれるクーデターを起こしました。

蘇我入鹿の暗殺

中大兄皇子と中臣鎌足は、蘇我入鹿そがのいるかを飛鳥板蓋宮あすかいたぶきのみで殺害し、蘇我氏の専権を直接的に打破しました。

蘇我蝦夷の自害

入鹿の父である蘇我蝦夷そがのえみしは、息子の死を知った後、自宅に火を放ち自害しました。

蘇我氏の権力はここに完全に崩壊しました。

改新の詔（646年） ― 新政権の方針

乙巳の変の翌年の646年、新政権によって改新かいしんの詔みことのりが発布され、天皇を中心とした新しい政治方針と統治体制が示されました。