こばむ(前586)ユダ王国の滅亡、バビロン捕囚
バビロン
この記事では、バビロン捕囚ついて整理し、高校世界史で問われやすいポイントをわかりやすく解説します。
ヘブライ王国の南北分裂
前1012年頃に建設されたヘブライ王国は、3代目の王であるソロモンの死後、多神教を受け入れた北のイスラエル王国と一神教を死守する南のユダ王国とに分裂しました。

イスラエル王国の滅亡

多神教を受け入れた北のイスラエル王国は、まもなくアッシリアのサルゴン2世よって滅ぼされます。
ユダ王国の滅亡

その後、一神教を死守した南のユダ王国も新バビロニア(カルデア)のネブカドネザル2世によって滅ぼされました。
バビロン捕囚
ユダ王国の滅亡の際に多くのヘブライ人がバビロンに強制移住させられました。これをバビロン捕囚といいます。
解放王キュロス2世

バビロン捕囚によりヘブライ人は約50年にわたり捕虜状態になります。
その状態に終止符を打ったのがアケメネス朝ペルシアの初代国王キュロス2世です。
キュロスの勅令
彼は、新バビロニアを滅ぼした際に、キュロスの勅令によって、連行されていたヘブライ人を解放しました。

ヘブライ人、イスラエル人
ヘブライ人という名称は外国人から呼ばれた呼称です。自らはイスラエル人と称していました。日本人が、「ジャパニーズ」と外国人から呼ばれ、自らは「日本人」と称している関係に似ています。
ユダヤ教の成立

バビロン捕囚から解放されたヘブライ人は、故国に帰りイェルサレムにヤハウェ神殿を再建し、ユダヤ教を成立させました。ユダヤ教成立後のヘブライ人のことをユダヤ人といいます。また、旧約聖書が完成したものこの直後のことです。
唯一神ヤハウェ
ユダヤ教は、唯一神ヤハウェを信仰する一神教です。
モーセの十戒のように、神が預言者を通して下した教えが基盤になっています。
選民思想とメシア待望
バビロン捕囚から解放された体験は、ユダヤ人こそが神に選ばれた民として救済されるという選民思想やメシア(救世主)が遣わされるといった信仰を強めました。
偶像崇拝の禁止
ユダヤ教では、偶像崇拝が禁止されています。
モーセの十戒においても「あなたはいかなる像をも造ってはならない」と明記されています。
この時代に興味を持つために ― 漫画『手塚治虫の旧約聖書物語』
『手塚治虫の旧約聖書物語 3 イエスの誕生』は、旧約聖書と新約聖書のつながりを描いた漫画で、特にバビロン捕囚からその後の歴史を学ぶ人におすすめです。捕囚後のユダヤ民族がどのように信仰を守り、メシアの到来を待ち望んでいたかが分かりやすく描かれています。手塚治虫の深い洞察と美しい絵が、聖書の世界を生き生きと再現し、歴史と宗教の背景を楽しみながら学べます。
関連年表
年号 | 出来事 |
---|---|
前1012年頃 | ヘブライ王国が建国される |
前1004年 | ヘブライ王国でダヴィデが即位 |
前922年 | ヘブライ王国がイスラエル王国とユダ王国に分裂 |
前722年 | アッシリアがイスラエル王国を滅ぼす |
前587年 | カルデア(新バビロニア)がユダ王国を滅ぼす |
前586年 | バビロン捕囚 |
前550年 | アケメネス朝ペルシアの建国 |