前202年 前漢の建国

劉邦
漢の高祖 劉邦
語呂合わせ

ツレに(前202)疑い、前漢の建国

垓下の戦いで項羽を破った劉邦りゅうほうは、かん前漢ぜんかん)を建国し、高祖こうそとして帝位につきました。都は、長安ちょうあん(現在の西安)に置かれました。

高祖とは、天子の霊を宗廟そうびょうにまつる際に贈る廟号のことです。

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郡国制 ― 郡県制と封建制の併用

前漢では、都の長安周辺の直轄地では郡県制、地方では封建制を取るという郡国制ぐんこくせいを導入しました。

秦王朝では郡県制が導入されましたが、急激な中央集権化により王朝が短命に終わりました。

その失敗を繰り返さないため、封建制を併用した郡国制を導入しました。

しかし、地方では呉や楚といった劉氏一族の諸王の力が大きくなり、後の呉楚七国ごそしちこくの乱(前154年)につながっていきます。

郷里制

農村では、県の下にごうていを置いて村の有力者である父老に支配を任せる郷里制きょうりせいをとりました。

白登山の戦い ― 匈奴の冒頓単于に敗れる

匈奴きょうどは、冒頓単于ぼくとつぜんうのときに強大化し、高祖 劉邦は白登山はくとさんの戦い(前200年)に敗れ、多額の貢物を贈るという屈辱的な講和を結びました。

単于ぜんうとは、匈奴の族長のことです。

この状況が変化するのは、武帝の時代になってからです。

この時代に興味を持つために ― 漫画『項羽と劉邦』

漢帝国について学んでいるなら、横山光輝の漫画「項羽と劉邦」はぜひおすすめです!この作品は、秦末期の動乱から漢帝国の成立に至るまでの歴史を、項羽と劉邦という二人の英雄の視点から描いています。漢帝国誕生の背景を楽しく学べる一冊です。

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