前3000年頃 シュメール人の都市国家

ジッグラト
ジッグラト
語呂合わせ

燦然さんぜん(前3000)と輝く、シュメール文明

シュメール文明は、現在のイラク南部にあるメソポタミア地方で栄えた世界最古文明の1つです。シュメール人都市国家を建設し繁栄しました。

目次

メソポタミア―2つの川の間の土地―

メソポタミアとは、「2つの川の間の土地」という意味のギリシア語です。2つの川とはユーフラテス川とチグリス川を指しています。

開放的な地形

メソポタミアは、周囲が陸続きで外敵から攻められやすい「開放的な地形」であるという特徴があります。このため、様々な民族が入ってきて、様々な国を建てました。これは、同時期に発展したエジプトが「閉鎖的な地形」であるのと対照的です。

肥沃な三日月地帯

メソポタミアやシリア、パレスチナにかけての地域は、「肥沃な三日月地帯」と呼ばれる非常に肥えた土地でした。麦の収穫量は、まいた種の80倍あったといわれています。

「肥沃な三日月地帯」という言葉は、アメリカの考古学者ブレステッドによって作られました。

灌漑農業の発展

メソポタミアでは、灌漑かんがい農業という雨水に頼らず人工的に耕地に水を供給する農業技術が発達しました。そのおかげでなどの穀物の生産ができるようになり、多くの人口を養えるようになりました。そして都市国家が発展しました。

世界初の都市国家の建設

民族系統不明シュメール人によって世界で初めて都市国家が建設されました。都市国家とは、都市と周辺の村落から成る国家のことです。都市国家として有名なものにはウルウルクラガシュがあります。

シュメール人は、現在名前が解明されている最古の民族です。

聖塔「ジッグラト」―バベルの塔のモデル

都市の中心部にはジッグラトと呼ばれる守護神を祀る聖塔せいとうが築かれました。日干しレンガを積み重ねて作られた、高さ数十メートルにもなる巨大な建物です。旧約聖書に出てくるバベルの塔の伝説の元になったといわれています。

王は「神の代理人」

メソポタミアの都市国家では、王は神の代理人として君臨する神権政治が行われていました。神権しんけん政治とは神の権威を背景に統治する政治体制のことです。

メソポタミアの都市国家では、神官が王として政治権力を持っていました。

メソポタミアの政治体制は、古代エジプトのファラオが、「神の化身」として政治を行っていたのとは対象的です。

シュメール人の文化

シュメール人は、青銅器、楔形文字、太陰暦、六十進法、文学作品などをつくりました。

楔形文字

楔形くさびがた文字は、粘土板に葦のペンを使って刻まれた楔形の古代文字です。シュメール語だけではなく他の言語にも使用されました。

楔形文字は、世界最古の文字の1つです。

太陰暦

太陰暦たいいんれきは、月の満ち欠けに基づく暦です。月が地球を1周する時間を1ヶ月としています。

六十進法

六十進法は、60で1つ繰り上がる数の進め方のことです。

世界最古の文学作品「ギルガメシュ叙事詩」

ギルガメシュ叙事詩は、世界最古の文学作品として知られています。ウルクの王ギルガメシュが親友のエンキドゥを失ったことで永遠の命を求める旅に出る冒険物語です。旧約聖書の創世記にあるノアの箱舟の洪水伝説の元となったと言われる話も出てきます。

メソポタミア初の王朝「ウル第1王朝」

各地に作られた都市国家は、力のある都市がその他の都市を支配するようになりました。こうした中で、都市国家ウルが覇権を握り、メソポタミア南部ウル第1王朝が誕生しました。

ウル第1王朝とは、ウルを首都として成立した1番目の王朝という意味です。

都市国家の衰退とアッカド王国の台頭

その後、都市国家は覇権を争い、絶え間なく戦争を行ったため衰退し、セム語族アッカド人が建てたアッカド王国に征服されました。

アッカド王国は、サルゴン1世によって建てられたメソポタミア全域を統一した初めての王朝です。

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