なごみ(前753)ましょう、ローマの建国
ローマは、ラテン人のロムルスとレムスという双子の兄弟の兄 ロムルスによって建国されました。彼らは、雌の狼に育てられたという伝説があります。
この記事では、ローマ建国について整理し、高校世界史で問われやすいポイントをわかりやすく解説します。
エトルリア人 ― イタリア半島の先住民
エトルリア人は、イタリア半島トスカナ地方に定住した先住民です。前11世紀末にこの地に移住したと考えられています。
前8世紀ごろには、独自の文明を築き始め、多くの都市を形成していきました。
エトルリア人の文化
エトルリア人は、鉄器を用いた文化を持ち、イタリア半島南部に移住してきたギリシア人と盛んに交易を行いました。
その結果、ギリシアの文化や技術を受け入れ、独自の発展を遂げます。
建築技術や鳥占い、剣闘士、公職制などは、後のローマにも影響を与えたといわれています。
ラテン人 ― ローマを建国
前753年、北方からイタリア半島に南下してきたラテン人のロムルスによって、ティベル川の河畔に都市国家ローマが建設されました。
ローマ建国神話「アエネイス」

ローマの建国神話として、詩人ウェルギリウスの書いた
この物語では、トロイア戦争で敗れたトロイア人の英雄アイネイアスがイタリアに逃れ、その子孫がローマ人の祖先になったと語られています。

ロムルスがローマを建国

そして、アエネアスの子孫にあたる双子の兄弟ロムルスとレムスのうち、兄のロムルスが、ローマを建国したとされています。
ローマという国名も、初代の王ロムルスの名に由来するといわれています。
なお、神話によれば、王位継承争いに巻き込まれたロムルスとレムスは、生まれてすぐにティベル川に流されてしまいました。
しかし、雌の狼に助けられ、授乳を受けて命をつなぎます。
その後、羊飼いに保護されて育てられ、成長したロムルスは、ついにローマを建国したとされます。
王政ローマ
建国当初のローマは、王政であり、7代にわたって王が支配しました。
王は民会(成年男性市民の集会)によって選出されていました。
ラテン人だけではなく、先住民であるエトルリア人が王になることもありました。
ローマ人、エトルリア人に学ぶ
ローマ人はエトルリア人に支配されていた時期に、建築、衣服、習慣など多くの文化を学び取りました。
特に、都市建設や政治制度の基礎は、エトルリア人から大きな影響を受けたと考えられています。
貴族と平民
ローマはエトルリア人に支配されている時期に貴族(パトリキ)と平民(プレブス)などの階級が形成されました。
貴族(パトリキ)は大土地所有者で、平民(プレブス)は中小自作農です。
王政から貴族共和政へ

やがて、第7代のエトルリア人の王を追放し、王政から貴族共和政に移行することになります。
この出来事をきっかけに、ローマは市民による政治へと歩み始めるのです。

理解を深めるQ&A
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